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ありつきかなう

華道の池坊では「ありつきかなうようにいけよ」という教えがあるそうです。ありつきかなうとは、草木の姿かたちの在り方や花葉の付き方が自然の道理に則した状態を意味すると新聞の家元が書かれた記事に書いてありました。




自然の道理に則した草木や花葉の在り方がより活きるように、生けるのだと思われます。この「ありつきかなう」の観念が、いけばなに限らず私達の暮らしの中でも大切にしたい考えと家元は述べていらっしゃいますが、まさに武道にも当てはまる考え方だと思いました。


私達は個々に皆異なっています。年齢、性別、身長や体重、筋肉の付きかたや手の大きさ、体つきは似ていても、性格が異なります。


同じ動作をしていても、関節の硬さの違いによって出来る人とそうでない人がいます。その場合は、その人が出来るように指導者が工夫をしなければなりません。


故望月稔師範は「道とは、皆が安心して、誰もが歩ける道でなければならない」とおっしゃっていたと杵淵師範から教えていただきました。「特別な人だけが歩ける道ではなく、誰もが歩ける道」だと。


その為には、指導者は固定概念を常に崩さなければなりません。それぞれの人の特徴に合わせた指導をしていく事により、その人の能力を伸ばす事が出来、更に潜在能力まで引き出す事さえも可能です。確かに同じ教え方でも、技がすぐに出来てしまう人もいますが、異なるやり方でないと出来ない方もいます。その方ができるように工夫をして指導する事が大切です。


草木や花葉も、ほんの少し高さや向きや組み合わせを変える事により、本来そのものが持つ魅力がより美しく引き出されるのだと感じます。


私は「ありつきかなう」よう、門徒さん達の持つ個性や特徴が生かされ、より輝けるような武道の指導を続けていきたいです。


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