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執筆者の写真Yoshie Sugai

渋沢栄一の理念から学んだ事 What I learned from Eiichi Shibusawa

主人の研究の為、現在の大河ドラマ「晴天を衝け」を毎週見ています。そこで、彼の理念、格言を少し調べてみました。




その格言の中に「智情意」という言葉がありました。 人の心には「智、情、意」の3つがあって、人間社会で活動して成果をあげるには、この3つが調和しなければならない、とのことです。  「智」(知恵)ばかりで「情」(情愛)に欠ければ、自分の利益のためならば他人を蹴飛ばしてもかまわないとなってしまう。かといって「情」(情愛)ばかりだと感情に流されてふらふらしてしまうので、目標に達成できない。強い「意」(意志)によるコントロールが必要である。  一方で「意」(意志)ばかり強くて「智」(知恵)や「情」(情愛)が伴わないと、ただの頑固者になってしまう。だから、この3つのバランスがとれていないと社会の役には立てない、ということだそうです。


我が道場名「智誠館」の智には知恵や知識そして、本質を見抜く力という意味が込められています。これは故望月稔師範の作られた大和心という歌の「気体智徳備」の智から使わせていただきました。


渋沢栄一の理念の「智情意」はビジネス社会だけでなく、武道、その他の道、コミュニケーションなど色々なシチュエーションに当てはまるのではないかと思います。


武道で言えば、「智」は技。「情」は相手の動きと感情と感覚を感じる。「意」それらをバランス良く使う意思。


「智」技だけ沢山知っていても、型通りに出来ていても、それを異なる人に同じようにはかけられません。無理があれば相手は怪我をしてしまうし、体格差があればその体格にあったように技をかける術を教えなければなりません。同じ技でも千差万別の方法があるという事です。100人いれば100人異なります。


「情」先ほどの智に関連しますが、相手の動き、感情、反応を繊細に捉えなければ技は上手くかかりません。ただし相手の事だけに集中しすぎて、自分の芯がぶれてしまえば一緒に倒れてしまいます。相手に流されてしまいます。自分の芯はブレずに相手の動き、感情、反応に沿うように技をかければ、相手も気持ちよく受け身が取れます。


「意」技の知識と感覚の繊細さのバランスを保つ為の平常心が必要です。ある程度技をマスターしてしまうと「これで間違いはない」と奢りがちになります。実際にそのように教える指導者に会った事もあります。私が技をかける側の思うように受け身を取らなかったら、私が悪いのだと非難されました。技に絶対はないと私の先生方はおっしゃいます。常に進化していかなければならないとおっしゃいます。先ほどの怒られた先生は「智」と「情」とのバランスが取れていらっしゃらなかったのだと思われます。


日常の私達の生活や人間関係にもこの「智情意」当てはまりますよね?

私はどうも「情」が強すぎて、なかなか「智」とバランスのとれた人間関係が出来ていないようです。改めて自分を見直す良い刺激になりました。




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